モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
ユリアンはたしかに際立った容姿の持ち主だ。それだけでもベアトリスが彼に熱を上げていたのもうなずける。でも今のベアトリスは彼を怖いと感じる。
(近づいたら、あの冴え冴えとした美貌で睨みつけられそうだもの)
想像するだけで恐ろしい。
だからユリアンが視界の端から消えてほっとひと安心したというのに、立ち去ったはずの彼が急に足を止めてくるりとこちらを振り返ったものだから、ついビクッと全身を震わせ目を見開いて動揺してしまった。
「クロイツァー公爵令嬢」
ベアトリスを無視したユリアンが、なぜか突然忌々しそうに名前を口にして怒りのこもった目を向けてくる。
そんな態度を取られる理由がわからずベアトリスが戸惑っていると、レオが焦ったようにささやいた。
「はやく王太子殿下に返事をしてください」
「あ、は、はい……王太子殿下ごきげんよう」
ベアトリスは令嬢らしく微笑んだが、内心は不安でいっぱいだ。
「クロイツァー公爵令嬢。なぜ彼女をそこに立たせているんだ?」
(彼女?)
ユリアンの視線を追うと、つい先ほど会話をしたやけにおどおどした女生徒が変わらない姿勢でそこにいた。
ベアトリスの許可が下りるのをいまだに待っていたのだろうか。
(ああ……顔を上げてと言っておけばよかった)
後悔したが今となっては手遅れで、ユリアンはベアトリスを睨む目を心底あきれたように細めた。
(近づいたら、あの冴え冴えとした美貌で睨みつけられそうだもの)
想像するだけで恐ろしい。
だからユリアンが視界の端から消えてほっとひと安心したというのに、立ち去ったはずの彼が急に足を止めてくるりとこちらを振り返ったものだから、ついビクッと全身を震わせ目を見開いて動揺してしまった。
「クロイツァー公爵令嬢」
ベアトリスを無視したユリアンが、なぜか突然忌々しそうに名前を口にして怒りのこもった目を向けてくる。
そんな態度を取られる理由がわからずベアトリスが戸惑っていると、レオが焦ったようにささやいた。
「はやく王太子殿下に返事をしてください」
「あ、は、はい……王太子殿下ごきげんよう」
ベアトリスは令嬢らしく微笑んだが、内心は不安でいっぱいだ。
「クロイツァー公爵令嬢。なぜ彼女をそこに立たせているんだ?」
(彼女?)
ユリアンの視線を追うと、つい先ほど会話をしたやけにおどおどした女生徒が変わらない姿勢でそこにいた。
ベアトリスの許可が下りるのをいまだに待っていたのだろうか。
(ああ……顔を上げてと言っておけばよかった)
後悔したが今となっては手遅れで、ユリアンはベアトリスを睨む目を心底あきれたように細めた。