モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「学院において生徒は平等だと、何度言えばわかるんだ?」
「あ……あの……」

 彼はベアトリスが女生徒を虐げていると思ったのだろう。否定したいのに、ユリアンの軽蔑の眼差しが怖くてうまく言葉が出てこない。

「人を人とも思わない君の態度には心底うんざりするよ」

 きっとベアトリスが謝罪の言葉も言い訳すらも言わなかったから、あきれてしまったのだ。

(どうしよう、早く弁解しなくちゃ)

 動揺するベアトリスからユリアンは冷たく視線をはずし、突っ立ったままだった女生徒に優しく声をかける。

「君はもう行っていい。クロイツァー公爵令嬢が迷惑をかけて申し訳なかった」
「と、とんでもございません」

 女生徒は恐縮した様子で何度も頭を下げながら、脱兎のごとく去っていった。

 よほどベアトリスが怖かったようだ。

 周囲からの視線も冷たい。直接非難してくる人はユリアン以外にはいないようだが、みんなから非難されているのを感じる。

(ベアトリスは毎日こんな環境の中で過ごして平気だったの? 私なんてこの数分だけでも耐えるのに必死なのに…!)

 エスコートの有無を気にしている場合ではないと言いたくなる。

「お嬢様、大丈夫ですか?」

 すっかり疲弊してその場に立ち尽くしていると、レオが声をかけてきた。

「あ……ええ。大丈夫よ」
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