モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
 返事をするとレオはほっとしたようにやわらかな表情になった。ユリアンに怒られたのを心配してくれているようだ。

「レオ、ありが――」
「よく我慢なさいましたね。お嬢様が癇(かん)癪(しゃく)を起こしたら強引な手を使ってでも止めるようにランベルト様から命じられていましたが、その必要はなかったようです」
「え、癇癪って?」
「ご存知の通り本日は年に一度の召喚式です。いくらお嬢様でも、騒ぎを起こしたらただではすみませんからね」

(レオは騒ぎにならなくてよかったとほっとしてるのね。お兄様も私が騒ぐと予想していたなんて)

「お兄様は心配性なのね……」

 ついぽつりと愚痴をこぼすと、レオはどこかあきれたような表情になる。

「昨年の離宮での騒動以来、ランベルト様は慎重になっているのです」

「なんのこと?」

「まさか忘れたのですか? 公爵夫人に激怒されていたではありませんか。お嬢様は心労からしばらく寝込んでいましたよね?」

「あ……そうね、そうだった!」

 不審な目を向けられ、ベアトリスは笑ってごまかした。

(まったく覚えていないとは言えない雰囲気ね)

 正直に告げたら軽蔑されるのは間違いない。

(よくわからないけど、私は昨年大きな問題を起こして、お母様にものすごく叱られて、たぶんショックのあまり寝込んだのね)
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