モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「もちろんだ。スラニナ大司教がベアトリスに接触するのを許さなかったのは俺だ。神殿の内情を探るチャンスだとわかっていても、ベアトリスを危険な目に遭わせたくなくて他の手を考えていたところだ。だがツェザールが勝手に教団に通じてベアトリスを連れ去った」

「彼の勝手な行動だったのですね」

「そうだ。ツェザールは王家を裏切るつもりはなく、事後報告ではあるが得た情報をこちらに送ってはいた。当然、ベアトリスが連れ去られたこともすぐに把握出来た」

「だからユリアン様が助けに来てくれたのですね。ツェザール様のおかげで助かったんですね」
「だからといって許せることではない」

 ユリアンはベアトリスの背中を優しく押した。迎えの馬車の用意が出来たのだろう。

「帰ろう、王宮へ」
「はいユリアン様」

 ベアトリスは最後に神木をもう一度見た。雄大な大樹に見送られて、ベアトリスたちは帰還したのだった。



 一連の騒ぎで、三日間は王宮もクロイツァー公爵家も騒がしく落ち着かずにいた。

 ドラーク枢機卿とスラニナ大司教、その他の高位司教の裏切りは衝撃だったが、それを知る者はごくわずかなため、ベアトリスが想像していたほどの混乱は起きなかった。

 王宮に一時保護されたレネは、まだ体が本調子でないのか多くの時間を寝て過ごしている。けれど起きているときはベアトリスを気にして、早く会いたいと訴えているそうだ。
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