モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「……あの、ツェザール様は今どうしているのですか?」

 彼はユリアンの大切な友人だ。それでもユリアンはツェザールに特別扱いをしないように指示していた。

「一か月の謹慎。騎士団での序列は降格だ。だが俺の側近からははずしていない。ベアトリスに対して許されないことをした。だが彼は、俺にとってかけがえのない友であり側近でもある。理解してくれるか?」

 気づかわしげなユリアンの言葉に、ベアトリスは笑顔でうなずいた。

「もちろんです。もとはといえば私の行動が原因で、ツェザール様があのような態度になったのですから」

 ユリアンから昨年の冬季休暇の事件について聞いたベアトリスは、その場で土下座をして謝罪したくなった。

(大切な妹さんに魔法で攻撃して傷つけたなんて……憎まれて当然だわ)

「ユリアン様、お願いがあります」
「なんだ? ベアトリスの願いならどんなことでも叶えよう」

 ユリアンはかなり乗り気で目を輝かせる。

「私にツェザール様と彼の妹さんに謝る機会を与えてください」

 彼は一瞬無言になったが、やがて苦笑いになった。

「ベアトリスらしいな。もちろん俺が和解に協力するよ」
「ありがとうございます!」
「でも次はもっと違うお願いを聞いてみたいな」
「え、どんなことですか?」

 きょとんとするベアトリスに、ユリアンはなにかを企んでいるようにニヤリと笑う。
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