モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
 ベアトリスはにこりと微笑む。レネは以前も甘いものが好物だった。

 平民にケーキは高価なので滅多に食べられなかったから、一緒にケーキを手作りして食べた記憶が懐かしい。

「でもロゼのケーキも食べたいな」
「明日、作ってきてあげるわ」
「うわあ、楽しみ!」

 しばらく楽しくおしゃべりを続けていたが、ふいにレネが黙り込みベアトリスをじっと見つめた。

「どうしたの?」
「んー今のロゼってすごく綺麗でしょう? ピンクのフワフワした髪に綺麗な赤い目でお姫様みたいだよ」

(そういえば、昔読んだ絵本のお姫様が今のベアトリスのような容姿をしていたっけ)

「ありがとう、レネに褒めてもらってうれしいわ」
「みんなロゼが綺麗だって言ってる」
「そんなことないでしょ?」
「ううん。王太子殿下も、そう言ってるもの」

 レネはなぜか不機嫌そうだ。

「ユリアン様が?」
「うん。あの人ロゼを取っちゃいそうで嫌だな」

 ベアトリスは困って苦笑いをした。このぶんではユリアンと結婚するなんて言ったら機嫌を損ねてしまいそうだ。

 王宮でのベアトリスの立場は、聖女に異常に好かれているということで飛躍的に上昇しており、早く王太子と結婚をと勧めてくる者もいるくらいだ。いずれレネの耳にも入るだろう。

「ロゼは私とずっと一緒だよね?」

 小さな子特有のかわいい焼きもちに、そうだねと答えようとしたとき、ユリアンがやって来た。
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