モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
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国立魔法学院は冬季の長期休暇に突入した。
休暇が終わった後は卒業に向けて、実践的な魔法を学ぶ。これまでよりも座学が減り、校外活動が増えていく。中には過酷な環境での討伐訓練もあるそうだから、成績がどん底のベアトリスにとって厳しい授業になりそうだ。
けれど、長期休暇はその前にひと息つける貴重な時間。
学生たちはそれぞれ自由な時間を楽しむ。久々に領地に戻り家族と過ごす者もいれば、婚約者と親交を深める者。卒業後に進む道についてゆっくり考えたり、婚約者を探したりと、休暇と言っても皆積極的に行動する。
ベアトリスは休暇一日目を、前世の記憶について覚えている内容をまとめる作業に費やした。そうすることで頭の中をすっきり整理出来ると思ったからだ。
紙を用意してまずは思い出せる出来事などを羅列していく。その過程で、前世のベアトリスが生きていた時代は約二十年前だと発覚した。
前世の記憶はロゼが若い頃のものしかない。
なんらかの理由で早く亡くなり、その後そう時を置かずに生まれ変わったと考えられる。