モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
胸の中にじわりと懐かしさが広がり、ベアトリスはサフィとレオが止めるのも聞かずに孤児院の敷地に足を踏み入れた。
遊具などはなにもない殺風景な庭も変わらない。ただロゼがいた頃はいつも子どもが元気に走り回っていたのに、今は人影がなくてしんとしている。
子どもたちはどこにいるのだろう。
ロゼと一緒に育った仲間や面倒を見ていた小さな子どもたちは、もう一人前になってここを出ていったはずだからいないのはわかっているが、孤児院には新しい子どもが頻繁に入ってくるはずなのに。
キョロキョロしていると玄関扉が開き、四十代くらいの男性が慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。知らない顔だ。
護衛のレオがベアトリスの前に立つ。
男性はレオを警戒してか少し距離を置いて立ち止まり、頭を下げた。
「私は王都第三孤児院院長のブランシュと申します。当院になにかご用でしょうか」
ベアトリスの服装や供を連れているところなどから貴族と判断しているのだろう。彼は非常に恐縮した様子だ。
「ベアトリス・ローゼ・クロイツァーと申します。見学させてもらいたいと思い参りました」
「えっ!」
ブランシュ院長は目が飛び出てしまうのではないかと心配になるほどの驚きを見せた。
「い、いったいなぜクロイツァー公爵令嬢様が……」
遊具などはなにもない殺風景な庭も変わらない。ただロゼがいた頃はいつも子どもが元気に走り回っていたのに、今は人影がなくてしんとしている。
子どもたちはどこにいるのだろう。
ロゼと一緒に育った仲間や面倒を見ていた小さな子どもたちは、もう一人前になってここを出ていったはずだからいないのはわかっているが、孤児院には新しい子どもが頻繁に入ってくるはずなのに。
キョロキョロしていると玄関扉が開き、四十代くらいの男性が慌てた様子でこちらに駆け寄ってきた。知らない顔だ。
護衛のレオがベアトリスの前に立つ。
男性はレオを警戒してか少し距離を置いて立ち止まり、頭を下げた。
「私は王都第三孤児院院長のブランシュと申します。当院になにかご用でしょうか」
ベアトリスの服装や供を連れているところなどから貴族と判断しているのだろう。彼は非常に恐縮した様子だ。
「ベアトリス・ローゼ・クロイツァーと申します。見学させてもらいたいと思い参りました」
「えっ!」
ブランシュ院長は目が飛び出てしまうのではないかと心配になるほどの驚きを見せた。
「い、いったいなぜクロイツァー公爵令嬢様が……」