モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
 すると子どもたちは大喜び。小鳥精霊のピピは大人気だ。

 子どもたちに懐かれて、ピピも喜んでいるのかもしれない。ベアトリスの肩にとまると、機嫌がよさそうに美しい旋律のさえずりを奏で始める。

 小鳥精霊の能力なのか、ピピのさえずりは穏やかですがすがしい気持ちにしてくれる。それは子どもたちも同じようで、皆うっとりと幸せそうに歌声に耳を傾けていた。

 ベアトリスはその様子を微笑ましく眺め、しばらくしてピピが歌い終わると輪に加わった。

「今日はクッキーを持ってきたから、おやつのときにいただきましょうね」
「わー楽しみ!」

 四歳になったばかりのアンは、興奮してぴょんぴょんその場で飛び跳ねる。その気持ちはよくわかる。前世ではロゼも同じ気持ちになって喜んだから。

「紙と鉛筆をたくさん持ってきたの。字を書く練習がしたい子はいるかな?

 支援はお金をあげるだけではなく子どもたちが無事独り立ち出来るように、教育環境を整える必要がある。まだたいしたことは出来ていないが、いずれは教師を探してつけてあげたいと思っている。

「鉛筆? やった!」

 まだ五歳なのに勉強大好きのマークが張りきった声をあげる。

 王都第三孤児院には二十人の子どもがいるが、最近少しずつそれぞれの個性がわかってきた。

「俺は剣をやりたい。レオ教えて!」
< 61 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop