モフぴよ精霊と領地でのんびり暮らすので、嫌われ公爵令嬢は冷徹王太子と婚約破棄したい
「噂でのベアトリス様はとても冷たい方とされています。ですが私は学院の長期休暇の間に、王都外れの孤児院で子どもたちの面倒を見るベアトリス様を何度か見かけたのです」
「そうなんですか? 気づいてませんでした」
あの辺りに貴族の家はないし、貴族が出入りするような店もない。そのため学院の関係者と会う可能性は低いと思っていたのだ。
「あの孤児院の近くに、私の母の実家があるんです。それでベアトリス様を見かけて、噂とはまったく違う優しい人だと感じていました。そして今日こうしてお話をして確信したんです。ベアトリス様は噂のようなひどい人ではありません」
凛とした表情ではっきり言ったカロリーネの言葉に、ベアトリスの目にじわりと涙が滲む。
評判に惑わされずに今のベアトリス自身を見てくれたことが、とてもうれしかったのだ。
「ありがとう、カロリーネ様」
「いいえ、私こそありがとうございます」
ふたりで頭を下げ合ったあと、微笑み合う。
「カロリーネ様、これからも仲よくしてくださいね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
(ああ、うれしい! 前世の記憶が蘇ってから出来た初めての友達がこんなに素敵な人だなんて最高ね)
「そうだ。カロリーネ様に私の精霊を紹介してもいいですか?」
「精霊って、あの小鳥の姿をした?」
「ええ。ピピ、出てきて」
声をかけると、内ポケットからピピが元気よく飛び出してくる。
「そうなんですか? 気づいてませんでした」
あの辺りに貴族の家はないし、貴族が出入りするような店もない。そのため学院の関係者と会う可能性は低いと思っていたのだ。
「あの孤児院の近くに、私の母の実家があるんです。それでベアトリス様を見かけて、噂とはまったく違う優しい人だと感じていました。そして今日こうしてお話をして確信したんです。ベアトリス様は噂のようなひどい人ではありません」
凛とした表情ではっきり言ったカロリーネの言葉に、ベアトリスの目にじわりと涙が滲む。
評判に惑わされずに今のベアトリス自身を見てくれたことが、とてもうれしかったのだ。
「ありがとう、カロリーネ様」
「いいえ、私こそありがとうございます」
ふたりで頭を下げ合ったあと、微笑み合う。
「カロリーネ様、これからも仲よくしてくださいね」
「こちらこそ。よろしくお願いします」
(ああ、うれしい! 前世の記憶が蘇ってから出来た初めての友達がこんなに素敵な人だなんて最高ね)
「そうだ。カロリーネ様に私の精霊を紹介してもいいですか?」
「精霊って、あの小鳥の姿をした?」
「ええ。ピピ、出てきて」
声をかけると、内ポケットからピピが元気よく飛び出してくる。