敵国王子の溺愛はイケメン四精霊が許さない!~加護持ち側妃は過保護に甘やかされています~
「本当に。どれもこれもいい品ばかりで、私にはもったいない。明日も朝食に誘っていただいているから、そこできちんとお礼を言うわ」
 そうしてその席で、もう一度殿下に伝えるのだ。これ以上の気遣いは不要だと。
 今日はすっかり殿下のペースに流されてしまったけれど、豪華な部屋に美味しい食事、専属の侍女に綺麗なドレス、私が自由に使える温室まで……十分過ぎるほど揃えてもらった。だからもう、これ以上はなにもいらない。
 未来の殿下と正妃様のためにも、私に過剰な待遇などしてはならない。そのことをしっかりわかっていただかなくては……。
「……そうよ。私はちゃんと自分の身の程は弁えているわ」
 自戒の念を込め、口内でつぶやく。そんな私を精霊たちが物言いたげに見つめていた。
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