逃すもんか
「じゃあ、中島さんを信じて…
オレの新入社員の頃の指導して下さった田村先輩って方がいたんだ。
平岡さんとオレと田村先輩で昼メシに行った時、
その田村先輩の夢の話しになった。
田村先輩の夢は…
【フランスの超一流ブランドのバッグ の職人になること】
だった。
オレは雷に打たれたように衝撃を受けた。
そして、俺も【フランスの超一流ブランドのバッグ職人になる!】って夢を持ったんだ。
だから…フランス語なんだ。
そして、いつでも渡仏できる金を貯めてる。
仕事は…まだまだだけど…チャンスを逃さないように努力はしてるんだ…」
「え〜すごい夢ですね。
大崎さんの夢が叶うといいですね!
私も応援しますね。」
「うん。ありがとう。」
「じゃあ、彼女とか結婚は…」
「う〜ん。俺だって彼女は欲しいけど…
先ずはフランスで職人に採用されることが一番かな。
こんなオレを好きになって、理解してくれる彼女がいればいいけど〜
アッチで働いていけるか、暮らしていけるか。
いろいろと不安材料があるからね。
単身で行くのと夫婦や家族でフランスへ行くのではかなり違うと思うし…」
「なるほど…」