純・情・愛・人
「連休はカレンダー通りだろう?」

平日の夜でもここに泊まるようになった宗ちゃんが、わたしから服をするする抜き取りながら訊ねた。

「うん、飛び飛び」

まとまった大型連休が叶う会社が羨ましくはある。祝祭日がきちんと休みなだけ、まだブラックじゃないと、ゴールデンウィークが近くなるにつれ自分を慰めている。

「出かけるか」

「!」

目を丸くしたのは、特別な日以外で誘われたことが今までなかったから。

背もたれを倒したリビングのソファベッドにわたしを沈め、自分も無駄な肉付きのない締まった体を晒して宗ちゃんは、淡く口角を上げて見せた。

「前半なら時間が取れそうだからな、薫が行きたいところに連れて行くぞ」

「ほんとに・・・?」

「ああ」

被さるように近く寄った宗ちゃんの首に抱き付く。

「大好きっ」

「・・・いい子でいるご褒美だ」

耳許で低く囁かれた声に、脚の付け根の奥の奥がきゅっと疼いたのを。知られたくなくて、縋るようにしがみついた。
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