愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「はじめまして、倉科南です」
ぎこちなさは否めないが、南もにこやかに返した。
中庭を臨む二層吹き抜けのエントランスは、曇り空のか弱い光ながらも明るい。
「こちらへどうぞ。旦那様も奥様もお待ちですよ」
房江に案内され、碧唯とともにリビングへ向かった。
そこも同様に吹き抜けの大空間。南側にはリビングとフラットになったテラスがあり、広く開けた窓と天井高が抜群の解放感をもたらす。華美な装飾はないが、ナチュラルテイストの内装に品のある豪邸である。
そこに碧唯の両親はいた。
ソファに並んで座っていたふたりが立ち上がる。
「は、初めまして、倉科南と申します。本日はお時間を取っていただきましてありがとうございました」
言葉につかえながら手土産を差し出し、なんとか澄まして頭を下げた。心臓はバクバクだ。
「いらっしゃい。よく来てくれた。気を使わせてすまないね」