愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
そう言い置いて出ていった碧唯は、トレーに器を載せてすぐに戻った。
起き上がった南に湯気が立ち上る器をトレーごと手渡そうとした碧唯が、なぜかそのままベッドに腰を下ろす。自分の膝の上にそれを置き、レンゲで器からお粥をすくった。
「……食べさせてくれるの?」
「ああ。一応病人だからな」
「でもなんか恥ずかしい」
高熱でフラフラでもないし、病人とは言い難い状態である。碧唯の手を煩わせるのも申し訳ない。
「嫌ならいい」
「――あっ、待って」
レンゲを器に戻しかけた碧唯を制する。そんなにあっさり引き下がれるとは思わなかった。
もっと新婚らしく、甘い押し問答があるのを期待したのだ。
「やっぱり食べさせてほしい」
「どっちなんだよ」
「せっかくだから甘えたいなって」
ニコニコ顔で手を布団の上で揃えた。
食べさせてもらう体勢は万全である。