愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

その夜のダイニングバー・ロマンジュは珍しくお客が誰ひとりおらず、南と碧唯の貸し切り状態だった。


「どうして誰もいないんですか?」


カウンターに並んで座るなり、マスターの宮沢に不躾な言葉をぶつける。


「まぁそんな夜もありますよ。今夜はおふたりのためだけにお店を開いたということにしておきましょう」


宮沢が穏やかな笑みで返す。
ふたりのためだけのロマンジュ。なんて素敵な響きだろう。
二度目のスタートを切る南たちにはもってこいのシチュエーションだ。


「ところでおふたりでいらっしゃるのはお久しぶりですね」


宮沢の言葉に違和感を覚える。


「……〝おふたりで〟って? もしかして碧唯くんは来てたの?」


碧唯と宮沢の顔を交互に見比べる。
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