愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
父親の浮気が原因で両親の離婚を経験しているため、安らかで平和な家庭に強く憧れるいっぽうで、愛には懐疑的な南にはまたとない話だ。
しかし、グッドアイデアと浮かれた直後に大事なことを思い出す。
「でも私、こっちで仕事してるからイタリアには行けない」
離れ離れでは、南の理想とする家庭とはほど遠い。
「近々、帰国する予定になってるからその点は問題ない。南の目的があくまでも子どもで、婚姻の継続にどうしても懐疑的なら、子どもができたら俺とは離婚すればいい。もちろん養育費の心配はさせない」
あくまでも子どもというわけではない。しかし南自身も友情婚に価値を見出しはじめた今、余計な理想を押しつけて碧唯の気持ちを揺さぶるのは得策ではないと考える。
「だけど離婚したら碧唯くんの社会的信用はどうなるの?」
せっかく得た信頼が、離婚でゼロどころかマイナスにならないか。
妻と子どもを放り出してなにをしているのかと、世間は冷たい目で見る気がする。少なくとも南がその立場だったらそう感じるはずだ。