愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「よく知りもしない相手と結婚なんて考えられるか? 俺は無理。でも気心の知れた南なら……」
「面倒がない?」


自分で言っておきながら、言葉的にどうなのかと思ってしまう。
碧唯は曖昧に微笑んだだけだった。


「愛だの恋だのにとらわれずに友達同士で結婚すれば、いい関係が築けると思わないか? 友達みたいな夫婦なんてざらにいる。友情婚だ」
「ゆうじょう、こん……?」


輪唱のように繰り返すと、碧唯は「ああ」と深く頷いた。

(友達同士が結婚したら……)

想定できる状況を考えてみる。

少なくとも母のように夫に浮気をされ、ひどいショックを受けたり傷ついたりはしないのではないか。なにしろ友達なのだから。
感情に捕らわれず、ふたりの共通の宝物である子どもを介して、いい関係を築ける……と言いたいのだろうか。

そうなると嫉妬や疑念にまみれず、フラットな気持ちで平穏な毎日を送れる。

――なんて素敵な人生ではないだろうか。
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