愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
正論にぐうの音も出ない。
マスターの宮沢がグラスを磨きながら、くっと小さく喉を鳴らした。
「頼られるお姉さんキャラと見せかけて、本当は甘えたがりなのはお見通しだし」
「だ、誰が?」
〝キミだ〟と言わんばかりに南を指差す。ちょっと意地悪な顔だ。
「大人の女を装いつつ、じつはかわいいものが大好きだとか」
「なっ」
碧唯は南がテーブルに置いていたスマートフォンを手に取り、手帳型のケースを開いた。
一見クールなデザインと見せかけて、内側はかわいいクマのシールを貼ったラブリーなものである。
「ほかにもあるだろう? 化粧ポーチやハンカチ、手帳もそうだよな。シンプル系や綺麗系よりはかわいい系を好んでる」
彼の言うように、南はかわいいものが大好きだ。もこもこふわふわしたものはもちろん、寒色系よりは暖色系、それもパステルカラーを好む。