愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

「叔父さんから縁談を持ち込まれても断っていた理由は南さんだったんだな」
「それを言うなら兄さんもだろう?」


碧唯が史哉に意味ありげな笑顔を向ける。

ふたりに首を横に振り続けられたその叔父は、うれしそうに碧唯の両親とお酒を酌み交わしている。
純粋に甥っ子の将来を心配して、あれこれ話を持ち掛けていたのだろう。人の好さが滲み出ている顔だ。


「美織さんは琉球ガラスを作っていらっしゃるんですよね? 今度、工房にお邪魔してもいいですか?」
「もちろんです」


美織が大きく頷いたそのとき、「ママー!」と声がした。
美織と同時に振り向いた先に、人波をかき分けて走り寄ってくる男の子の姿。美織の息子の陽向(ひなた)である。

南たちの結婚式ではリングボーイを務めてくれた。
幼いながらも一人前、にボウタイに黒いタキシード姿が愛らしい。


「陽向、たくさん人がいるところではゆっくり歩こうか」
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