愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
さすがに巨大企業の会長となれば、南の母親のときのようにいきなりの訪問はスケジュール的に難しいのだろう。
そういった点を考えると、南は碧唯の妻として相応しいのだろうかと疑問が浮かぶ。
「碧唯くんは本当に私で大丈夫なの?」
「なにを今さら。もう後には引かせないからな」
「あ、うん、そうなんだけど。ほら、碧唯くんって御曹司でしょう? ごく普通の家庭の私で、ご両親は納得されるのかなって」
映画やドラマ、小説の世界だったら家柄がつり合わないと反対されるパターンだ。
許嫁が登場して横やりが入ったり、健気なヒロインが身を引かざるを得ない状況が勃発したり。虚構の話なら山場としてもってこいだが、現実世界ではできれば避けたい。
「俺の両親は息子の結婚相手にいっさい干渉しない。叔父はしつこく縁談を持ち込むが、単に俺が独身なのが心配なだけ。家柄を問うような時代錯誤な叔父じゃないから大丈夫だ」
「そうなのね」
碧唯の言葉に安堵する。