愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

入籍すれば、どのみち会社には届け出なければならない。早いか遅いかの違いなら、報告は早いに越したことはないだろう。

沖山の驚きぶりは、眼鏡のずり下がり具合からもわかる。椅子からは半分ほどお尻が落ちていた。


「南さんが結婚!?」
「えーっ、マジかよ」
「彼氏いたなんて知らなかったー」


突然の結婚宣言に部署内が騒然となる。
いつも恋人とののろけ話の聞く脇役だった南が、いきなり主役の座を射止めてしまった。
方々から視線を集めてしまい、ものすごく照れくさい。


「うわー! 南さん、おめでとうございます!」


気づけば同僚総出で立ち上がり、南に拍手を送っていた。

(やだな、なんか恥ずかしいんだけど……)


こんな騒ぎになるとは想像していなかったため居たたまれなくなりつつ、あちこちに頭を下げて恐縮しながら自席に戻る。

休暇届は無事受理され、その日は退勤するまで南が結婚する話でもちきりだった。
< 39 / 267 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop