愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
ここは『株式会社ソーシャルリンク』、三十代の若き社長が一代で興した日本有数のマーケティング会社である。
大学を卒業後入社した南は、多種多様な業界のマーケティング調査を手掛けるクリエイト事業本部に所属している。互いを下の名前で呼び合うなど、比較的自由な社風で風通しのいい会社だ。
フレンドリーな雰囲気のためか社内恋愛も多い。おかげでランチタイムになると休憩室にはあちこちにカップルの島ができ、座る場所に苦慮するときもある。
そんなときには邪魔しないように距離をとりつつ、そそくさとお弁当を食べて引き上げる。羨ましさ半分、諦め半分といたところだ。
仕事ひと筋でやってきた南は気づけば社内で頼れるお姉さん的ポジションになり、後輩や同期はもちろん先輩の信頼も厚い。
そのせいだろうか、恋愛対象として見られなくなって久しい。
子どもの頃に頭の中に描いていた未来予想図では、とっくに結婚して子どももひとりくらいいて、あたたかな家庭を築いているはずだった。
どこをどう間違えたのか、恋人すらいない悲しい現実である。
そんなわけで近頃は将来に大きな不安を抱えていた。