愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~
「瀬那くんのフィアンセ、すごい美人だってみんなが言ってたわ」
「いえ、そのようなことは全然」
首を横に振って謙遜する。むやみにハードルを上げられると困ってしまう。
「でも、ぼんやりして……」
咲穂がボソッと呟いたひと言に引っかかる。
(ぼんやりって顔が?)
過大評価の噂が先行してがっかりさせたのだったら申し訳ないが。
(もしかして今のは嫌味だったりする……?)
そう思わせるのは、彼女の碧唯に対する好意をなんとなく感じたせいだった。
話しながら碧唯にそれとなく触れたり、必要以上に目を見つめたりするのが気になっていた。碧唯はさり気なくかわしていたけれど。
途中何度も気のせいだと自分を納得させていたが、今の言葉が決定打のような気がした。
長いまつ毛かゴミでも入ったのか、咲穂が目を擦りながらオレンジティーを飲み干したところで碧唯が戻る。