愛はないけれど、エリート外交官に今夜抱かれます~御曹司の激情に溶かされる愛育婚~

四十代くらいだろうか、口髭に顎髭、おまけに手の甲にも毛がみっちりと生えた男性がにこやかな笑顔を南に向けた。

ネックレスや指輪、イヤリングにピアスはもちろん、キーホルダーやストラップもある。手作りとはいえ、どれも繊細で綺麗なデザインだ。


『世界にひとつしかないよ』


露店商が南に話しかける。


「碧唯くん、なんて言ってるの?」
「世界にひとつしかないそうだ」
「そうなんだ。素敵ね。どれか買おうかな……」


あれこれ手に取り、太陽の光に透かしてみる。キラキラして綺麗だ。


「もっとちゃんとしたやつを買ってやるから」
「こっちもちゃんとしてるよ? あっ、これなんてどうかな、碧唯くん」


いくつも並んだうちからネックレスをひとつ手に取った。
穏やかな白い光を放つムーンストーンをミルククラウンのフォルムで包み込んだデザインは、女性らしいやわらかさがある。
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