なぜか推しが追ってくる。
おまけ




「というわけで文化祭二日目の今日は一般公開のクラス発表になる。いいか皆、これはあくまで学校行事の一環だという自覚を持ってだな……」




くどくどといつまで続くかわかったもんじゃない話で、クラスにうんざりした空気が流れる。

我がクラスの担任中田先生(40代三児のパパ)は、話がとても長いことで知られているのだ。


そんな中わたしは、わざとらしくため息をついて立ち上がった。




「先生、その話あと5秒でまとめてください! じゃないと恭くんが文化祭回れる貴重な時間が減っちゃうでしょうが!!!」




文化祭二日目。

昨日はステージ発表のみだったけど、今日と明日は模擬店中心のThe文化祭といった感じになる。


そして、昨日と今日は予定が空いていた恭くんだけど、明日は仕事が入っているらしい。つまり模擬店を見て回れるのは今日だけ。先生の浅くて長い話で時間を潰すなんて冗談じゃないのだ。

声を上げたわたしに先生は苦い顔をするけど、クラスメイトたちからは「さすが」「よく言った武藤さん」という声が上がる。いいぞもっと褒めてくれ。



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