冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「いえ、そうではないの。ぜひお願いしたいわ。ただ、私が魔法の適性検査を受けることは皆さんには秘密にしておいて頂きたいの」
特にミザリーには。
「何を企んでいる」
途端に、鋭い口調で、リーンハルトが目を眇める。眼差しが冷たい。これがきっと義弟の本性だ。天使の顔に騙されて油断してはいけない。彼に殺される未来もひょっとしたら、あるかもしれないのだから。三回目なのに、前回も前々回もあまり関わらなかったから、彼の事は良く知らない。
「あの、はずかしいから」
とりあえず理由をひねり出す。追及されないといいのだが。へそを曲げてやはり連れて行かないと言われたらどうしよう。
「父上に言わないわけにはいかない」
「ええ、それはわかっているわ」
レティシアは頷いた。リーンハルトは納得していないようだ。ミザリーに告げ口されたらどうしよう。
「ふん、まあ、いい。明日起きなかったら、置いて行く」
そう言いおいて去ろうとする。
「ちょっと待ってください」
慌てて止める。質問するなら今しかない。
「なんだ。まだ用があるのか? 暇ではないんだが」
「いえ、あの、あと一つ聞いてもよろしいですか? 闇魔法ってなに?」
一つ下の義弟についうっかり丁寧語がでる。リーンハルト、ちょっと怖い。前からこのような性格だったのか、今まで接点が少なすぎて分からない。初めて会った頃は本当にかわいかったのに。前回も前々回も気付けば怖くなっていた。
一体いつから?
義弟の朝は本当に早い。レティシアは危うく置いて行かれるところだった。
いや実際に、問答無用で置いて行かれたのだが、諦めるレティシアではない。生死がかかっているのだ。
彼女は朝食を抜き、義弟を乗せ走り去る馬車を全力疾走で追いかけた。
「待ってーー! リーンハルト! リーンハルトーーっ!」
朝早くから往来にレティシアの声が響く。訪問着が地味に重い。息切れがする。下町で生活していた頃はもっと早く走れたのに。
すると馬車が急停車した。追いついたレティシアの前でいきなりドアが開き、義弟に馬車に引きずり込まれる。意外に力が強い。そしてドアを閉めると御者に出発の合図を送った。彼の顔は真っ赤だ。
「淑女が走るな! 往来で叫ぶな! みっともないだろう」
特にミザリーには。
「何を企んでいる」
途端に、鋭い口調で、リーンハルトが目を眇める。眼差しが冷たい。これがきっと義弟の本性だ。天使の顔に騙されて油断してはいけない。彼に殺される未来もひょっとしたら、あるかもしれないのだから。三回目なのに、前回も前々回もあまり関わらなかったから、彼の事は良く知らない。
「あの、はずかしいから」
とりあえず理由をひねり出す。追及されないといいのだが。へそを曲げてやはり連れて行かないと言われたらどうしよう。
「父上に言わないわけにはいかない」
「ええ、それはわかっているわ」
レティシアは頷いた。リーンハルトは納得していないようだ。ミザリーに告げ口されたらどうしよう。
「ふん、まあ、いい。明日起きなかったら、置いて行く」
そう言いおいて去ろうとする。
「ちょっと待ってください」
慌てて止める。質問するなら今しかない。
「なんだ。まだ用があるのか? 暇ではないんだが」
「いえ、あの、あと一つ聞いてもよろしいですか? 闇魔法ってなに?」
一つ下の義弟についうっかり丁寧語がでる。リーンハルト、ちょっと怖い。前からこのような性格だったのか、今まで接点が少なすぎて分からない。初めて会った頃は本当にかわいかったのに。前回も前々回も気付けば怖くなっていた。
一体いつから?
義弟の朝は本当に早い。レティシアは危うく置いて行かれるところだった。
いや実際に、問答無用で置いて行かれたのだが、諦めるレティシアではない。生死がかかっているのだ。
彼女は朝食を抜き、義弟を乗せ走り去る馬車を全力疾走で追いかけた。
「待ってーー! リーンハルト! リーンハルトーーっ!」
朝早くから往来にレティシアの声が響く。訪問着が地味に重い。息切れがする。下町で生活していた頃はもっと早く走れたのに。
すると馬車が急停車した。追いついたレティシアの前でいきなりドアが開き、義弟に馬車に引きずり込まれる。意外に力が強い。そしてドアを閉めると御者に出発の合図を送った。彼の顔は真っ赤だ。
「淑女が走るな! 往来で叫ぶな! みっともないだろう」