冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「そういえば、さっき属性には光と闇もあるといってなかった? どうして私はそこから除外されるの?」
「光と闇は極端に適性が少ないんだ」
 
 彼の答えは端的だ。

「そうなの? なんだか光と闇ってイメージが浮かびにくいんだけれど。
 光って、魔法師が使うライティング? みたいな、辺りを照らす魔法のこと?」

 すると義弟の手のひらにぽっとオレンジ色の温かい光が生れた。

「ライティング、これの事か? これは生活魔法で、基本的なものだ。まあ、ときどき魔力があっても出来ない者もいるが、これと光属性とは違う」

 いままで、義弟を生意気で口うるさくてプライドが高くて、気に入らないとすぐ舌打ちするし苦手だと思っていた。
 だが、彼がさらりと魔法を使う姿を見て、はじめて尊敬の念が湧いてきた。

「すごいわ、リーンハルト!」

 歓声をあげる。

「じっと見るなよ。気持ち悪い」

 彼への尊敬の念は、一瞬でしぼんだ。こんな奴が伯爵家を継いで大丈夫なのだろうか。世の中は不公平にできている。リーンハルトは才能・容姿・生まれに恵まれているだけではないか。

 そこでレティシアは慌てて首を振る。また思考がネガティブに陥りそうになった。僻んではいけない。それでは前々回の繰り返しだ。

「大丈夫か? いきなり犬みたいに首を振って」

 今度は犬扱い。

「ええ、大丈夫」

 レティシアは渾身の精神力で怒りを飲み込み、笑みを浮かべた。癇癪など起こしている場合ではない。



19 協力してくれるの?

 そのまま席を立つだろう思っていた義弟が、まだ隣に座っている。何か言いたいことでもあるのだろうか。レティいアは少し警戒し、身構える。

「適性が知りたかったら、明日の朝、早く起きろ」
「え?」

 意外なことを言われ、レティシアは瞳を瞬いた。

「俺の師の元へ連れて行ってやる。そこで検査を受けるといい」
「あ、あの、リーンハルト」

 驚いた。彼が協力してくれるらしい。

「なんだ? 明日がダメならば、俺は知らない。お前のわがままは一切聞かない」

 断固として言う。いやいやながら、協力してくれるらしい。本当はレティシアが大嫌いなのだ。だが、困っている人を放って置けない。彼は、こういうところに育ちの良さが出る。

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