冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
 午後の日の差す庭で、可愛らしい天使のようなミザリーが小首を傾げる。今日は自宅庭園で催されているミザリーの茶会に誘われたのだ。招待されたのはすべて彼女のお友達。逃げられなかった。あまり避けると不審がられるし、サクッと殺されるかも知れない。油断は禁物だ。

「ええ、いつまでもここのお家に甘えていてはだめだと思って」
「あらそんなことないわよ。私達は姉妹じゃない。それにここはあなたのいえなのだから遠慮はいらないわ。私に一言相談してくれたらよかったのに」

 ミザリーに相談したら、どうにかなっていたのだろうか? 本当に彼女に二度も殺されたのか疑いたくなるほど、今世でも親切だ。

「ありがとう、お姉さまに、そう言っていただけて嬉しいわ」

 するとミザリーがふふと笑う。そのとき風が吹き彼女の金髪が揺れる。
 きらきらと陽の光を反射してとても美しい光景だが、レティシアはぞくりと寒気がした。いつから、彼女に恨まれはじめるのだろう。もうそれは始まっているのだろうか。前と違い今世では、彼女となるべく関わらずに生きてきた。

「私の弟と随分仲がいいのね」
「そう見えますか?」
(私の弟?)

 見えないと思う。学園に適性検査を受けに行って以来、リーンハルトとは接触がない。彼とは相変わらず犬猿の仲だ。それに学年も違う。彼は一年早く早期入学していて、しかも飛び級している。つまり、レティシアの二級うえだ。

 そして、いまミザリーは「私の弟」言った。やっぱり彼女にとってレティシアは家族ではないのだ。

「とても仲良く見えるわ」

 いきなり強い口調で言われ、びっくりした。ミザリーはリーンハルトとレティシアが仲良くするのが気に入らないのだろうか。

「リーンハルトは優秀で、私とは学年も違うから、会うこともないわ」
「そう。まあ、そんな事よりも、あなたは婚約者を探さなくてはね」
 
 ミザリーが断定口調で言う。
 
「え?」
「学園など趣味で通っている場合ではなくてよ?」

 そういば、ミザリーはもう、アーネストと婚約が決まったのだろうか? レティシアは何も聞かされていない。しかし、それをこの場で問うのははばかられた。ここには彼女のお友達の令嬢達も招待されている。二巡目で、レティシアに熱い紅茶をかけ、苛めた面々だ。
 義姉妹のやり取りを、彼女たちが興味津々で見ている。

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