冤罪で処刑され、ループする令嬢 ~生き方をかえてもダメ、婚約者をかえてもダメ。さすがにもう死にたくはないんですけど!?
「家に、不足があるわけではないです。でも、ここにいると恵まれすぎていて、甘えてしまうので」
 
 いい感じのいい訳ができた。本当は死にたくないだけれど。

「わかったよ。それならば、せめて休みの日は家に帰って来ておくれ」
「はい」

 もちろん理由をつけて帰る気などないので、ちくりと良心が痛む。

 これで、やっと平穏無事に長生きできるかもしれない。
 今世では殺されないで済むかもしれない。






 ◇


 魔法師学園は五年制で、概ね十四歳から二十歳までの生徒がいる。一年生だから、十四歳などと決められているわけではなく、遅くは十七歳から入学する者もいた。
 
 入学には別に難しい試験などなく、簡単な教養の筆記と面接を受ければいい。必要なのは魔力なのだ。レティシアの場合強力な光属性の魔力を持っているという事でスカウトされる形での入学が決まった。つまりバートン氏の実験データ要員だ。そのため、月に二回は彼の実験に協力する義務がある。
 
 意気揚々と学園の門をくぐった。今までの繰り返しの人生になかった展開にレティシアの心は躍る。これで、きっとミザリーに殺されることもない。あわよくば、長生き出来るかもしれない。学園の中央にそびえたつ古く立派な時計塔。これからこの学校でレティシアの新たな時間が刻まれる。誇らしい気持ちでいっぱいだった。
 
 しかし、たった一つ懸念がある。寮に入るため荷物は持ってきているのだが、まだ部屋が決まっていない。どうなっているのだろう?

 荷物は学園に預けっぱなしだ。
 学び舎に入ると、学園の職員に広い講義室に案内された。そこにはニ百人ほどの生徒がいる。ここは貴族も平民も関係なく受け入れているので人数がとても多い。
 それにしても入学者を集めて、これから何が行われるのだろう? 不思議なことに日程については全く聞かされていない。
 これから、説明があるのだろうか。

 しかし、始まったのはテストだった。読み書きの苦手なレティシアには難しく。半分も解けなかった。入学の筆記試験と随分と違う。
 その後、家に帰された。学園は一週間後に始まるという話だ。



「レティシア、驚いたわ。読み書きが苦手なあなたが学校に通うおうと思うだなんて」

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