貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
神山透の発言を聞いた、その後のことはあまりよく覚えていない。
覚えているのは、朝食を作るから一緒に食べようという誘いを断り、転がるように神山透の家を出たところまで。
気がついたらワンルームの自宅に座り込んでいた。

神山透の、「紺野洋子は特別だった」と、いう言葉がぐるぐる頭を駆け巡る。

要するに、紺野洋子は特別で、私は特別じゃない。
果物に例えて言うならば、彼女は専門店で売られている一粒何千円もする高級苺で、私はスーパーの一パック何百円の特売品。
高級苺は食べるのに躊躇するが、特売品なら気兼ねなく食べられるってところだろう。

セフレなんてそんなものなんだろう。

わかっているつもりでいたけれど、なにもわかっていなかった。
神山透が優しく丁重に扱ってくれているものだから、ちょっと勘違いしてしまったようだけれど、私は只のセフレ。彼女じゃない。気軽につまめる相手に過ぎないのだ。

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