貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
腹を立てる?誰に?私に?なんで?
腹を立てられる理由なんかに検討もつかず、とりあえず話を促してみる。

「だって山本さんは、一人の人間の神山透には、体調気遣って直ぐに休める場所に連れていってくれる優しさがあるのに、男としての神山透には……優しくないんですもん」

……はあ?

「昨日は山本さんからホテルに誘われて『男として求められている!誘われてる!』って思って嬉しかったのに、目覚めてみたら、帰り支度も完璧にされてたら、そりゃ腹も立ちますよね。山本さんは思わせぶりに人を惑わすひどい人ですよ」

ジトリと恨めしげな視線を寄越す神山透は、続けてブツブツこんな文句を言う。

「それにいくらこちらが忙しいからと言って、まさか山本さんからこの3週間、なんの連絡もないとは思いませんでした」

えぇー。なんだそれ。
まさかそんなことを思われてたとは心外である。
連絡をしなかったのは忙しい中邪魔をしては悪かろうという配慮だし、昨日は昨日で疲れている人を早く寝かせてやろうという気遣い精神からきた優しさだというのに、この一連の流れを否定されてしまうとは。
ましてや今朝の起きてから退出(予定)までについては時間の無駄のない、我ながら完璧な行動だと思っていたのだが、イケメンが求めていたのはそういうことでは無かったということか。

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