貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
「せっかく頂いたので、お持たせですがどうぞ」

なんて言って、神山透から頂いたケーキを早速出してみる。
小振りながらも真っ赤なイチゴと白いクリームのコントラストが映える、大変可愛らしくて美味しいケーキを堪能しつつ、他愛ない話をする私達。

が、心の中では「これからどうする?どうすればいい?」と半ばパニックである。異性を家に上げたことなど数少なく、ましてやイチャイチャする為だけに招くのなんて初めてなものだから、これからどうしてよいのか全くわからない。

そんな私の心を知ってか知らずか神山透は本棚の漫画の単行本を目ざとく見つけ、「この漫画、読みたいと思ってたやつなんですよね。読んでもいいですか?」なんてのんきに聞いてくる。
どうぞ、と言うと早速手に取りパラパラと本をめくり始める。
確かにその本は、映画化もされたベストセラーの漫画で、大変面白い本だった。
けど、それ、今?今読まないといけないやつ?

真剣な顔で漫画を読む神山透をややしばらく眺めていたが、やっぱり漫画よりもこちらを向いてほしい。
私を気にかけてほしい。
私だけを見ていてほしい。
……そう思ってしまった私は、足を伸ばして床に座る神山透の体を跨いで正面に乗ると、日中の、自分の部屋の中だというのに、

「神山さん、私とキスしません?」

と、大胆にも誘ってしまったのだった。

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