貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
そんな訳で貴重な休みはあっという間に過ぎて、週明け月曜。
社会人としてのいつもの生活が始まり、月、火、水といつものルーティンで作業をこなしていく。
そして本日、木曜日。

出社するとこちらに向けてヒソヒソ声が聞こえてくる。
いつもと違うその違和感に、何?何なの?と思わずソワソワしている私に、朝の挨拶もそこそこに隣の席の小西さんが気遣わしげに声をかけてくる。

「山本さん、もし気分が悪くなるようだったら、今日は早退しても大丈夫だからね?」

え?何?ほんと、何かあったの?
そんな優しい言葉を頂戴する心当たりが無さ過ぎて、逆に不安になる私である。
すると、いつかの飲み会で「女子力が足りなさ過ぎる」と言い放った失礼な同僚が「いやあ、ほんとに驚いちゃったよ~。」などと言いながら、ニヤついた訳知り顔でこちらに近づいてくるのであった。

「山本さんさぁ、最近なんだか急に綺麗になったからどうしてなのかとは思ってたんだけど、まさかそういうことだったとはねぇ。」
「……今の山本さんへの発言、それ、今のご時世アウトなやつですよ?」

穏やかそうな雰囲気に似合わぬ熱き正義の心でその発言を咎める小西さんと、何か含んだようなニヤけ面の同僚の会話を聞きながら、二人の顔を交互に見つめる私である。
こんな状況を目の前で見せられてしまっては、なんだか朝から嫌な予感しかしない。
昨日の退社時はいつも通り、変わったことなど無かった筈なのに、この一夜で一体何が起きたのだろう?

すると困惑する私を無視するかの様にその同僚からは、更にとんでもない話が飛び出すのだった。


< 89 / 144 >

この作品をシェア

pagetop