貴方と私は秘密の✕✕ 〜地味系女子はハイスペ王子に夜の指南を所望される〜
……って言うか情報提供者!
あんな場所(ホテル街)を通りかかるなんて、どう考えても同じ穴の狢だろうにどうして他人のゴシップを提供しようという気になるのか。
あの時間帯に退出ならば私達と同じく延長料金が発生しているはずに違いないし、入る側だったら真っ昼間からヤル気満々ってところだろう。
どっちにしたってお盛んなのはお互い様なんだから、そこはそっと見て見ぬ振りをして頂きたかった!!

姿無き密告者にも猛烈に怒りを感じるが、生憎とあたり散らす場所がない。
あーもう、あれか、やっぱりルームナンバーがよくなかったのか。319号室を選んだからこんな最悪(319)な展開になっているような気すらしてきてしまう。

とりあえず神山透へ「会社の人に私達がホテルから出てくるところを見られたみたいです」と報告だけはしておいてみる。

恥ずかしさやら謎の居たたまれなさ、周囲からの好奇心に満ちた視線に苛まれつつ日頃のルーティン作業を進めようとするが、仕事になんて全くならない。

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