有り ふれた 人生

苛立つ再会


私は、カフェに戻り
藤吾と二人分のコーヒーを
頼んでから
「もう、ここにいる必要ない
でしょう?
他県に行っていちから
出直しなさい。
そして、もう簡単に変な人に
引っかからないで。」
と、言うと。
「そうだよね。そうだよね。
もう一度、頑張ってみるよ。」
と、言った。

藤吾は、千葉県に移る事にして
住んでいたアパートを
引き払った。

家具や家電は、彼女が持って行って
何もなかったから
自分の服だけをかばんに詰めて
駅へと向かう

千葉県に移ると佑未に
連絡があったので、
少し合う事にした佑未は、
清家さんから貰ったであろう
精神的負担料300万円の内の
100万円を藤吾に渡した。

藤吾は、拒否したが
「きちんとして欲しい。」
と、言うと
「ありがとう。借りておく。」
と、言って頭を下げた。

本当に、彼女は、
一体なんだったのだろうか?
DVの旦那さんと別れられて
良かっただろうが
一つの家庭を壊し
一人の歯科医を
露頭に迷わせた

その責任は感じて欲しい。
一人の親として·······

佑未は、藤吾の話しを
家族にもした。

父親は、清家さんに
呆れていたが、藤吾に関しては
「見失う事をしたのだから
仕方ない。」
と、言い。

陽平は、
「人の良いことを」
と言ったが
「元は、藤吾から支払われた
物だから。」
と、言うと
「そうだけどね。」
と、言っていた。

藤吾に
今自分が、どこにいるとか
話はしていない。

だが、一度は縁あって夫婦に
なって人だ。
やり直して欲しかった。

藤吾のあんな姿を見たからなのか
切なくて
悲しくて
腹立たしくて
そして残念で
そんな人と夫婦であった自分も
情けなくて······
靑の声がききたくなって

「佑未?」
「·····ぅん··」
「どうした?」
「ごめんなさい。連絡しなくて。」
「心配した。」
「うん。ごめん。」
「明後日、迎えに行く」
「うん。」
「後一日、楽しんで。」
と、靑に言われて
明日は、母さんと
出かけようと思った。

靑は、ホっとしていた。

何か抱えていると
わかっていたのに
焦り過ぎて
佑未と、ぎくしゃくしてしまった。
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