俺が、好きになっちゃダメ?

「お待たせしました、カラフルフルーツと、黒蜜きなこクレープです!」



焼きたてであったかい生地の中には、ホイップクリームと、イチゴ、バナナ、キウイなどいろいろなフルーツがたっぷり入っていて、甘い匂いが鼻をくすぐった。


夏芽も嬉しそうに、黒蜜ときなこがたっぷりのクレープを受け取っては、パクリと頬張る。



「うん、美味しい!」



早速、夏芽の口元に黒蜜がついている。
カラフルフルーツのクレープも、甘味と酸味がバランスよく入っていて美味しい。



「この後、どうしよっか?」



そう尋ねながらも、わたしの口元にもホイップクリームがついてしまった。



「探しに行く?」



「ん?」



主語が抜けているので、夏芽が何を言っているのか分からない。



「なんか、探してる物があるの?」



「もー、雫は鈍いなぁ。わたしは、物を探しに行こうとしてるんじゃなくて、人を探しに行こうとしてるの!」



「ひ、人……?」



「き・し・ま・く・ん」



「ええっ……!?」



ああ、危なかった。
もう少し手を緩めていたら、クレープを落とすところだった。




< 66 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop