俺が、好きになっちゃダメ?
「お待たせしました、カラフルフルーツと、黒蜜きなこクレープです!」
焼きたてであったかい生地の中には、ホイップクリームと、イチゴ、バナナ、キウイなどいろいろなフルーツがたっぷり入っていて、甘い匂いが鼻をくすぐった。
夏芽も嬉しそうに、黒蜜ときなこがたっぷりのクレープを受け取っては、パクリと頬張る。
「うん、美味しい!」
早速、夏芽の口元に黒蜜がついている。
カラフルフルーツのクレープも、甘味と酸味がバランスよく入っていて美味しい。
「この後、どうしよっか?」
そう尋ねながらも、わたしの口元にもホイップクリームがついてしまった。
「探しに行く?」
「ん?」
主語が抜けているので、夏芽が何を言っているのか分からない。
「なんか、探してる物があるの?」
「もー、雫は鈍いなぁ。わたしは、物を探しに行こうとしてるんじゃなくて、人を探しに行こうとしてるの!」
「ひ、人……?」
「き・し・ま・く・ん」
「ええっ……!?」
ああ、危なかった。
もう少し手を緩めていたら、クレープを落とすところだった。