甘く、溶けるように。

「諦めて、今からでも一緒に帰れる人探した方がいいよ。この時期に雨に濡れて帰ったら、絶対風邪ひくから。クリスマスの時より酷くなるかもよ?」



クリスマス事件(私が命名した)の事を話している梨絵は、結構本気でそう言ってた。



悲しいかな、天気予報と梨絵の言っていたことは正しかった。



あんなに綺麗な青空が広がっていたのに、窓の外を見れば重苦しい灰色の雲空と土砂降りの雨。



帰りのホームルームが終わり、帰り支度をし始めるクラスメイトたちも、窓を見てザワついている。



「ほら、言ったでしょ?降るって」



「…梨絵じゃなくて、お天気お姉さんが当てたんじゃん」



「はいはい、そーですね」



……え、ほんとに私この中帰るの?



めっちゃ雨降ってるよ?ザーザー降りだよ?



自業自得なのだから仕方ないけど、嫌なものは嫌だ。



「…じゃあ、芹沢くんにでも頼めば?」



そこに、梨絵が爆弾を投下した。



「ちょっ、梨絵、何言って…」



隣にいるから、聞こえないわけがない。



「ん、俺?」



すぐに反応されて、私はものすごい勢いで手を横に振る。
< 16 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop