甘く、溶けるように。
「諦めて、今からでも一緒に帰れる人探した方がいいよ。この時期に雨に濡れて帰ったら、絶対風邪ひくから。クリスマスの時より酷くなるかもよ?」
クリスマス事件(私が命名した)の事を話している梨絵は、結構本気でそう言ってた。
悲しいかな、天気予報と梨絵の言っていたことは正しかった。
あんなに綺麗な青空が広がっていたのに、窓の外を見れば重苦しい灰色の雲空と土砂降りの雨。
帰りのホームルームが終わり、帰り支度をし始めるクラスメイトたちも、窓を見てザワついている。
「ほら、言ったでしょ?降るって」
「…梨絵じゃなくて、お天気お姉さんが当てたんじゃん」
「はいはい、そーですね」
……え、ほんとに私この中帰るの?
めっちゃ雨降ってるよ?ザーザー降りだよ?
自業自得なのだから仕方ないけど、嫌なものは嫌だ。
「…じゃあ、芹沢くんにでも頼めば?」
そこに、梨絵が爆弾を投下した。
「ちょっ、梨絵、何言って…」
隣にいるから、聞こえないわけがない。
「ん、俺?」
すぐに反応されて、私はものすごい勢いで手を横に振る。