甘く、溶けるように。
「ううん!ぜんっぜん大丈夫!!梨絵が言ったことは気にしないで!」
梨絵は何を言ってるの!?
この期に及んで、これ以上芹沢くんに迷惑をかけちゃダメでしょ絶対。
私が傘を忘れたのが悪いのだ。
風邪をひくくらいが、反省するのにちょうどいいのかもしれない。
「ごめん芹沢くん、千桜を頼んでもいいかな?」
梨絵は私の意思とは反対に、ついにはお願いし始めた。
頼んですらいないのに…!!
「いや、だからいいって…」
「俺はいいよ。真中さんがよければ」
芹沢くんが「さすがにそれは…」と言うのを期待していたのに、返ってきたのはまさかの了承だった。
「ほんと?助かる、ありがとうね。じゃあ、千桜をよろしく。私部活行くんで」
芹沢くんの了承を得ると、荷物を持って教室からすたこら出ていった。
ま、待ってよ梨絵!
勝手に話進めないでくれる!?
なんて文句も言えぬまま、私は隣にいる芹沢くんをちらりと見る。
「えーっと…梨絵の言ったことは気にしないでね?さすがにそこまでお世話になるつもりは無いので…」
うん、これでいい。