甘く、溶けるように。
「ぜんぶ、無駄だったのかなぁっ…?」
これ以上泣いたって意味ないと頭ではわかっていても、緩んでいる涙腺からぽたぽたと涙が落ちていく。
さっきまで甘いココアを飲んでいたはずなのに、口の中はしょっぱくなるばかり。
私、何やってるんだろ…。
せっかく芹沢くんが入れてくれたココアとか、優しさを無駄にして…。
自己嫌悪に陥りそうになったとき、ふわりと温かな何かに包まれた。
「大丈夫。誰も見てないから。思う存分泣いて」
まるで彼女に対する行動のように優しく抱き寄せて、耳元で囁かれた。
「っ…芹沢く…」
「うん、頑張ったね。えらいえらい」
頭を撫でる骨ばった大きな手が、温度が、声が…私の体温を上げる。
僅かに香る香水とか、今私に触れているもの全てに熱がこもっているみたい。
「…っぅ、」
辛くて苦しくて、こんなに惨めな姿を見られたくなくて。
芹沢くんの胸に、顔を埋めることしか出来ない。
勘違いしてしまうのに。
やめてほしいのに。
抱きしめられているこの感覚が、あまりにも心地いいから。
ずっとこうしてて欲しいだなんて思ってしまった私は、おかしいのかな。