甘く、溶けるように。

***



「お、おはよう芹沢くん。あけましておめでとう…!」



「あ、真中さん。おはよー。あけましておめでとう」



うん、わりとフツーに話せてるな。



クリスマスに4時間待ちぼうけ事件から、2週間経った。



あの日私がまた泣き出して、芹沢くんに酷い醜態を晒してしまったあと。



私たちの間に何か変わったことがあるわけでもなく、そのまま私は帰った。



お互いに連絡を取り合う仲でもなかった…というか、元々私には手の届かない存在なので、何事も無かったかのように冬休みを過ごした。



冬休みが開けた1月の上旬に、こうして登校してきています。



「せ、芹沢くんはお餅何個食べた?」



あの日以来話すのが初めてだから、変に緊張してしまう。



だからお餅の話なんてしちゃったし。



「んー、そんな食べてないや。そこまで好きじゃないんだよね」



「えっ、そんな人いるの!?」



思わず声を上げると、芹沢くんは苦笑をこぼす。



食べ物なんて好き好きがあるから、そういう人もいるってわかってるつもりだけど。



どこにお餅を嫌う要素があるのかと、つい過剰に反応してしまった。



「はは、いるいる。だって俺がそうだもん」
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