俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
 キスのついでと言わんばかりに、ブラジャーのホックが外された肩紐がされたままの中途半端な状態で彼の手が私のふくらみに触れた。

「いいから。ほら、気持ち良くなることだけに集中して」

 集中してもなにも、もう難しいことなんて一切考えられない。

 頭の中には羞恥心とこれから起こることへの期待でいっぱいだった。

「綺麗な背中だな」

 彼の指が首筋から背中を通って、私のヒップに到着する。ショーツの上から優しく撫でられるとぞくぞくとした感覚が背中を伝って駆け上ってきて、体がぶるっと震えた。

 私のひとつひとつの反応を彼は楽しんでいるようで、時折漏れ聞こえる吐息が妙に色っぽい。

 彼はそのまま私の耳を舌で刺激したかと思うと、顎に手をそえて後ろを振り向かせた。

 強引に目が合う。顔を逸らそうとしたけれど、彼がそれを許してくれない。

「今から君を抱く男の顔だ。しっかり見ておけ」

 彼に言われて目を合わせる。そこには私に熱いまなざしを向ける男がいた。その目は、はっきりと私を求めている。

 私は体ごと彼の方へ向いた。そしてじっと彼を見つめ返し、整った顔に手を伸ばす。なめらかな肌に触れ親指で少しだけ撫でる。

 くすぐったそうに身じろぎした彼を見て、笑みがこぼれた。

「ずいぶん余裕があるんだな」

 笑ったのが気にいらなかったのか、彼は不満げに目を細めた。

「そんなはずないじゃない。でも……せっかくだから、ちゃんと覚えて置きたくて」

 そうきっとこんな完璧な男性と、一夜を共にする……そんな大冒険をすることはこの際ないだろう。

 いつか「バカなことをした」と思う日がくるかもしれない。それでも、今の私にはこの時間が、彼が必要なのだ。それならばすべて覚えておきたい。

 私は彼の頬を撫でながら、形のよい唇に自らの唇を重ねた。チュと音をたてた短いキスの後、頭を傾けて深いキスをする。

 漏れる吐息が熱くて、甘い。舌を彼の口の中に滑り込ませると彼はそれに応えた。

「んっ……はぁ……あっ!」

 最初に仕掛けたのは私のはずなのに、気かつけばソファに押し倒されていた。完全に形勢逆転だ。

 唇が離れても余韻でじんじんする。彼の視線に射抜かれた私の体がどんどん熱くなっていく。

「悪いが、主導権を渡すつもりはない」
< 11 / 112 >

この作品をシェア

pagetop