俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
 ほっとしたのも束の間、大輝さんがいきなり私の体を抱き上げた。落ちないように反射的に彼の首に手を回した。

「疲れてるみたいだから、俺が風呂に入れてやるよ。優しいよな、俺」

 機嫌よく私をバスルームに連れていく彼。一方私は、これまでのバスルームでの彼の数々のいたずらを思い出し、全力で拒否する。

「あの、大丈夫! なんだか急に元気になったから。ひとりで入る。降ろして」

「無理しなくていい。俺が隅から隅まで綺麗にしてやる」

 いや、だからそれされると私の体力がもたないんだってば!

 どうにか断ろうと必死になってあれこれ考えたけれど、すぐにバスルームに到着してしまう。

 彼は私を洗面台に座らせると、服まで脱がせ始めた。

「ほんとに、自分でできるから」

 私が止めてもお構いなしに、手早くジャケットを脱がせた後ブラウスのボタンに手をかけた。

「いいから、じっとして。脱がすのは俺だけの特権だろ」

 なにやら鼻歌まで歌い出しそうな勢いで楽しそうなので、もう任せることにした。抵抗すだけ無駄だということを、私は学んでいる。

 私が抵抗しなくなったのをいいことに、彼はそそくさと私を一糸まとわぬ姿にすると、あっという間に自分の服を脱ぎ捨てた。

 そして私を抱き上げてバスルームに向かうと、熱いシャワーの下で優しく丁寧に……そしてちょっといやらしく、私の体を綺麗に洗う。

「……はぁ、ねえ。そんなにじっくり洗う必要ある?」

「ん? ほら、俺きれい好きだから」

 そんな話初めて聞いた気がする。

「……ん、ねぇ。今日は痕つけないでね。明日大事な日なんだから」

 首筋に舌を這わせる彼にお願いする。

「今日じゃなければいいってことな。了解」

「そういうわけじゃ……はぁ。んっ」

 自分の熱のこもった声が、バスルームにこだまする。

「もう、いいでしょ。ねぇ」

 背後から私を洗う彼を振り返ってみる。そろそろやめてもらわないとのぼせてしまう。

「わかったから、そういう目で見ないでくれ。もっとしたくなる」

 お願いを聞いてくれた彼が、コックをひねりふたりの上にシャワーが降り注ぐ。彼は私を振り向かせると、唇をかさねた。

「綺麗だ」

「丁寧に洗ってもらったからかな?」

「違うだろ。俺がお前を愛してるからだ」

「んっ……」

 またそのまま唇をふさがれた私は、必死になってそれに応える。
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