俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
「いえ、大丈夫です。なんだか花嫁の自覚をしたら緊張してきました」

これまで何度も結婚式を見てきたが、自分のはもちろんはじめてだ。そして仕事柄いろんなことがきになってしまい、やっぱりあれこれ心配してしまう。

「では、ご主人様と一緒に過ごしてリラックスなさってください」

 天川部長はじめ、スタッフが頭を下げて出ていくと、控室には大輝さんと私のふたりきりになる。

「うちのスタッフは本当に気が利くな。ほら、こっちに」

 彼が手を引いて私をソファに座らせた。そして彼も隣に座る。

「緊張してるのか?」

「あたりまえじゃないですか、大輝さんのご両親もいらっしゃるし、招待客ももう……はぁ、思い出すと胃が」

「仕事じゃないんだから難しく考えるな。今日はもう俺のことだけ考えていればいい。それともマイクを使って大声で叫ぶか?」

 出会ったのあの日のことを言っているのだとわかり、私は頬を膨らませた。

「いつまでそれ、覚えているつもり?」

 不機嫌に睨む私にも、彼の目は優しくこちらを見つめている。

「いつまでだって忘れない。未央奈とのことはずっと覚えているつもりだ。歳をとって他の事は忘れても、お前のことだけは全部覚えている自信がある」

「大輝さん……」

「いつも一生懸命で、不器用で、甘えるのが下手で。でもそこがすごくかわいくて。気が付けばいつも目で追っていた」

 彼と出会ったとき、私の人生はまさにどん底だった。それでも前を向いて歩いてきた。それをずっと隣で見てくれていたのが大輝さんだ。

「私もこれからの人生も、あなたとずっとより沿っていきたい」

 私がそう告げると、彼が柔らかく微笑む。

 まどから差し込む光が、彼をまぶしく照らす。ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、私はそっと目を閉じる。

 誓いのキスまで待ちきれない。

 そっとふたりで交わしたキスは、永遠に続く幸せの味がした。

END




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