お姫様達は王子様と永遠に
「有難う御座います……えっと、この場をお借りして、もう少しだけお時間頂いても宜しいでしょうか?」

(ん?もう一曲歌ってくれるのかな?)

隣の颯を見れば、ニヤニヤしながら、椅子に体を預けたまま、私に目だけで笑った。

(……え?)

京は、マイクを置くと、真っ直ぐにこちらに向かって歩いてくる。そして、その人物の前でぴたりと足を止めると、片膝をついた。

京は、ポケットから小さな箱を取り出すと、それを開いて、目の前の人物に突き出して見せた。

「麻美、俺と結婚してください」

すぐに麻美の大きな瞳から、真珠のような涙がポロポロと(あふ)れていく。

「……京……」

「初めて出会った時は、観客が、麻美以外に誰も居なかったからさ、プロポーズする時は、沢山の人に見守られてプロポーズしたかったんだ」

「びっ……くりした……私……」

京が、困ったように笑う。

「……ごめん、麻美。俺、恥ずかしくて、そろそろ限界かも……」

頬を染めた京を見ながら、麻美も頬を染める。

「京、宜しくお願いします」

京は、立ち上がると、麻美の左手にダイヤモンドの指輪をそっと嵌めた。

その瞬間、事務所内は、今日一番の大歓声に包まれた。
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