【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
5.幼妻の場合(4)
◇◇◇◇

 夫婦の寝室。四柱式で天蓋がついている広いベッドは、ダークブラウンでどことなく落ち着いた色合いだ。
 いつもはオリビア一人で使っていたベッドだが、今日はクラークがいる。
「その……。俺もベッドを使ってもいいだろうか……」
 ベッドを前にして、遠慮するかのように、クラークが声をかけてきた。
 ベッドは元々二人で使うものである。そのため、こんなに広いのだ。
「はい、もちろんです」
 オリビアが答えると、クラークは安心したのか、頬をゆるませた。
 オリビアもクラークの方から、そう言葉をかけてくれたことに安堵する。
 なにしろオリビアの方から「一緒に寝ましょう」なんて口にしたら、はしたない女性と思われてしまうと、そう思っていたからだ。
 だからといって、クラークに「ソファで寝てください」とも言えないし、オリビアが「私がソファに寝ますので」とも言えない。
 彼が遠征で不在になるまでの間も、このベッドの上に二人で眠っていた。だから、何も問題はないはずだ。
「オリビア……。君に、話しておきたいことがある」
 クラークがベッドに腰をおろすと、隣に座るようにとベッドの上をぽんぽんと叩いた。
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