【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
 彼の仕草に、オリビアは小首を傾げてから彼の隣に腰を落ち着ける。
 ギシリと二人分の重みでベッドが沈んだ。
「君は……。この結婚をどう思っている?」
 クラークの問いに、オリビアの身体は小さく震えた。
(も、もしかして……。これはクラークの方からのお誘いなのかしら。隠して晒して作戦がうまくいった? ありがとうございます)
 オリビアは心の中で子爵夫人に礼を言った。
 その後、ゆっくりと首を振り、彼の顔を見上げる。
 だが、クラークの視線は彼の膝の上に落とされていてオリビアと目が合うことはない。
「私にとって、この結婚は必要なものであったと、そう、思っております」
 必要な結婚。望んだ結婚。だから、彼にも望まれたい。
「そうか。だが、君はもう十八になった。立派な大人だ。だから、自由に好きな人と生涯を共にできる権利が与えられた」
「はい」
「俺に遠慮する必要はない。君が好きなように生きなさい」
「はい……」
 オリビアは返事をしてみたものの、彼からの言葉の意味を考えていた。
(え、と。つまり、私から誘えってことなのかしら? だからって、今すぐ誘うのもがっついているように見えるかもしれないし。むしろ、はしたないと思われてしまうかも)
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