【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
オリビアがカステル侯爵邸から戻ってきたところ、クラークは既に屋敷に帰ってきていた。
なぜか彼はエントランスにいた。
「どこに行っていたんだ?」
オリビアの姿を見つけたクラークが、鋭く睨みつけてきた。
「ポリー様のところに。お茶会に誘われておりましたので。今朝、旦那様にもそうお伝えしたと思っていたのですが」
「そ、そうか……。そうだったかもしれないな」
なぜかクラークの右手が怪しくくねくねと動いている。だが、そのまま手は彼の脇にピタリと収まった。
「ポリー様から、流行りの映画について教えていただきました。旦那様は、どのような映画がお好きですか?」
オリビアがそう尋ねると、クラークの引き締まっていた口元が緩んだ。
「ここではなんだから、場所を変えよう」
クラークが腕を出してきたのは、エスコートするためだと思った。
(この腕を、とってもいいのかしら?)
じっとオリビアはクラークの腕を見つめていたが、彼はそれを取り下げるようなことはしなかった。
そっとオリビアはクラークの腕に、自分の腕を絡めてみた。
社交界嫌いのクラークは、あまり公の場に積極的に顔を出そうとはしない。だから、二人でこのように並んで歩くことも少ない。まして、彼の腕をとるとなれば、八か月前に開かれたパーティー以来である。
なぜか彼はエントランスにいた。
「どこに行っていたんだ?」
オリビアの姿を見つけたクラークが、鋭く睨みつけてきた。
「ポリー様のところに。お茶会に誘われておりましたので。今朝、旦那様にもそうお伝えしたと思っていたのですが」
「そ、そうか……。そうだったかもしれないな」
なぜかクラークの右手が怪しくくねくねと動いている。だが、そのまま手は彼の脇にピタリと収まった。
「ポリー様から、流行りの映画について教えていただきました。旦那様は、どのような映画がお好きですか?」
オリビアがそう尋ねると、クラークの引き締まっていた口元が緩んだ。
「ここではなんだから、場所を変えよう」
クラークが腕を出してきたのは、エスコートするためだと思った。
(この腕を、とってもいいのかしら?)
じっとオリビアはクラークの腕を見つめていたが、彼はそれを取り下げるようなことはしなかった。
そっとオリビアはクラークの腕に、自分の腕を絡めてみた。
社交界嫌いのクラークは、あまり公の場に積極的に顔を出そうとはしない。だから、二人でこのように並んで歩くことも少ない。まして、彼の腕をとるとなれば、八か月前に開かれたパーティー以来である。