【受賞】幼妻は生真面目夫から愛されたい!
 オリビアは優しくベッドの上におろされた。
「寒くはないか? 震えているようだが……」
「寒くはありません。どちらかというと暑いです。ですが、恥ずかしくて」
「そんな格好までして、今更恥ずかしがるな」
 彼の顔は愉悦に満ちている。そこに年相応の色気を感じ、オリビアの背筋はぞくりと震えあがる。
「明かりを……。消していただけませんか?」
 オリビアを見下ろしていたクラークの顔が曇った。
「俺は、君の全てをこの目に焼き付けたい。今までの分も、全て。だが、君が嫌がるようなことはしたくない」
 クラークは部屋の入り口の近くまで速足で歩くと、パチンと明かりを消す。その代わり、ベッドの脇にある間接照明をつけた。
「これくらいは、許してもらいたい」
「そのくらいなら」
 オリビアも妥協する。真っ暗闇で彼に抱かれるのは、さすがに怖かった。
 できれば、クラークの顔を見たい。裸体を見たい。
 彼が「オリビアを見たい」と口にしたが、オリビアも彼の身体には興味津々なのだ。
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