この先も、ずっと紺くんと一緒に
「なんだ、覚えてたのか。忘れてるならスルーしようと思ったのに」
「もうっ」
(本当はそんな風に思っていませんよね?)
だって、紺くんはわたしを不安な気持ちのままにはさせない人。
「……あの時はチャイムに邪魔されて言えなかったけど、俺だって嬉しいに決まってるじゃん。パートナー入れ替えの課題が終わって、初が部屋に戻ってきた瞬間からずっと」
「……ずっとですか?」
「そう、ずっと。あの日の熱い抱擁をもう忘れたの?」
「忘れてません!」
紺くんの体温も、言葉もわたしにとっては全部が宝物だから。
「これからも、俺のパートナーは初だけだから」
紺くんの言葉に目頭が熱くなる。
「紺くん…!2年生も金の夫婦の卵を目指して頑張りましょうね!」
そう宣言をしたわたしに紺くんはクスクスと笑いはじめた。
「どうかしましたか?」
「タルタルソース口につけながら気合入れられても」
「えっ、ど、どこですか」
わたしがティッシュを手に取るよりも先に、紺くんがわたしの唇をそっと親指で拭う。
その瞬間、パシャリとシャッターを切る音がした。
(こ、広報さんがいるのをすっかり忘れていました。)